イギリスにおけるコロナ以外の疾患の超過死亡の増加 updated 17NOV21

11月17日付の英国テレグラフ(The Telegraph)紙のweb版では、イギリスでコロナではない病気での超過死亡が増えているということが記事になっています。
概略は以下のようです。

  • イギリスでは、過去4か月間にコロナ以外の理由で、例年よりも1万人近く多くの方が亡くなりました。
  • イギリス国家統計局によると、イングランドとウェールズの過去18週間の5年平均よりも20,823人の超過死亡があり、そのうちコロナ以外で亡くなった超過死亡者数は9,292人(45%)でした。
  • コロナ以外の死因としては、虚血性心疾患、肝硬変、糖尿病など、本来なら治療可能な疾患で亡くなっていることが分かってきました。
  • 本年(2021年)10月1日に発足した英国保健安全保障庁(UKHSA / UK Health Security Agency)の統計によると、夏以降、心不全、心臓病、循環器疾患、糖尿病でコロナ前5年間の平均よりも数千人多い死亡が記録されています。在宅での死亡も5年平均を40.9%上回っており、直近の週でも964人の超過死亡が記録されています。
  • イギリスでは、現在10人に1人の割で(約580万人)医学的処置を待っていることになります。
  • 10月には12万人以上が事故および救急部門で少なくとも4時間待たされ、救急車の現場到着も遅れがちで、心臓発作の患者でも救急車が来るまで53分待たなければならないとのことです。これは、本来目標としている待ち時間のほぼ3倍に当たります。
  • 廊下で治療を受ける患者の数は、2019年10月以降9倍に増加しています。

いかがですか。日本でも、この夏、医療機関へのアクセスが悪く不幸な事例が発生しましたが、それでも上記のような事態には至りませんでした。ありがたいことです。